この記事は、
- 最近読書を始めた人
- 読書に興味を持っている人
- とにかく読みやすい本を探している人
に向けて、「この作家さんの中から探してみては!?」というご提案です。
基準は、
- 読みやすいこと、小説の楽しさが伝わること(小説をそこまで読んでない人に重きを置きます)
- 学生になじみやすいテーマが得意なこと
- ある程度著名であること(とっつくハードルを少しでも減らしたいため)
の3つです!
Contents
中学生・高校生におすすめ小説家①伊坂幸太郎
読書好きの人なら名前を知らない人はいない、老若男女の支持が厚い超人気作家です。
伊坂作品の特徴は、1)息つく暇もないエンタメ性と、2)軽妙洒脱な語り口、3)そして痛快な伏線回収。
エンタメ性に関しては、伊坂幸太郎はジェットコースターに乗らされているような怒涛の展開を魅せる小説を多く書きます。なので文字だらけの小説でも退屈さを感じさせません。
語り口は、特にキャラクター同士の会話のテンポ感がすごい。漫画やライトノベルは読むけど本格的な小説はまだちょっと、、、という人にはおすすめ。
伏線回収に至っては、芸人さんが「伊坂幸太郎の伏線回収か!」とたとえツッコミに使うことがあるほど、伊坂作品の代名詞となっています。小説ならではの醍醐味を味わえます。
伊坂幸太郎を読むなら①『陽気なギャングが地球を回す』
嘘を見抜く名人、天才スリ、演説の達人、精確な体内時計を持つ女。この四人の天才たちは百発百中の銀行強盗だった…はずが、思わぬ誤算が。せっかくの「売上」を、逃走中に、あろうことか同じく逃走中の現金輸送車襲撃犯に横取りされたのだ!奪還に動くや、仲間の息子に不穏な影が迫り、そして死体も出現。映画化で話題のハイテンポな都会派サスペンス。
あらすじ
伊坂作品の中では有名なほうではありませんが、ファンの多い一冊。
エンタメ性に全振りしたような作品で、とにかく面白い作品を読みたい!という人にはお勧めしたいです。
オンリーワンの個性を持つ4人のギャングが活躍する勧善懲悪のダークヒーローもの。ラストのどんでん返しもあり、スカッとしたい気分の時に読みたい本です。
伊坂幸太郎を読むなら②『重力ピエロ』
兄は泉水、二つ下の弟は春、優しい父、美しい母。家族には、過去に辛い出来事があった。その記憶を抱えて兄弟が大人になった頃、事件は始まる。連続放火と、火事を予見するような謎のグラフィティアートの出現。そしてそのグラフィティアートと遺伝子のルールの奇妙なリンク。謎解きに乗り出した兄が遂に直面する圧倒的な真実とは――。溢れくる未知の感動、小説の奇跡が今ここに。
あらすじ
こちらは伊坂幸太郎の代表作。
テーマは少し重めですが、テンポのいい会話もあり、謎解き要素もありで表紙やあらすじの印象ほどとっつきにくくはありません。
小説の面白さにどっぷりハマってみたい人におすすめ。僕も中学生のころこの小説と出会ってから小説の面白さに気づきました。
中学生・高校生におすすめ小説家②有川ひろ
恋愛小説が好きな人には有川ひろを一押しします。
恋愛小説なら右に出るものはいないほどの名手。小説界のaiko。
シリーズ物が多いのも特徴で、一冊ハマると次の作品に手を出しやすいのもうれしいポイントです。
有川ひろを読むなら①『図書館戦争』
2019年(正化31年)。公序良俗を乱す表現を取り締まる『メディア良化法』が成立して30年。高校時代に出会った、図書隊員を名乗る“王子様”の姿を追い求め、行き過ぎた検閲から本を守るための組織・図書隊に入隊した、一人の女の子がいた。名は笠原郁。不器用ながらも、愚直に頑張るその情熱が認められ、エリート部隊・図書特殊部隊に配属されることになったが…!?番外編も収録した本と恋の極上エンタテインメント、スタート。
あらすじ
映画化もされた、有川ひろの代表作。
本を検閲から守るため奔走する主人公を応援し、上司の堂上にほれ込み、、、と感情が忙しく動く読んでいて楽しい小説です。
主人公ペアを取り巻くサブキャラクター達も魅力的で、人気投票したらかなり割れそう。
番外編含めシリーズ全6巻。それぞれで話は完結しているので1巻だけでもまずは読んでみるのをおすすめします。
有川ひろを読むなら②『植物図鑑』
お嬢さん、よかったら俺を拾ってくれませんか。咬みません。躾のできたよい子です―。思わず拾ってしまったイケメンは、家事万能のスーパー家政夫のうえ、重度の植物オタクだった。樹という名前しか知らされぬまま、週末ごとにご近所で「狩り」する風変わりな同居生活が始まった。とびきり美味しい(ちょっぴりほろ苦)“道草”恋愛小説。レシピ付き。
あらすじ
こちらもファンの評価が高い、純度100%の恋愛小説。
小細工はいいからとにかく恋愛小説が読みたいんじゃという人におすすめ。
中学生・高校生におすすめ小説家③恩田陸
恩田陸も知らない人はいないレベルの売れっ子作家。
ノスタルジアの魔術師という異名を持ちます。ノスタルジア=郷愁で、過去の思い出を懐かしく愛おしく思うみたいな意味合いです。
多種多様なジャンルの小説を書く方ですが、青春小説、ミステリー小説に特に定評があります。
恩田陸を読むなら①『夜のピクニック』
夜を徹して八十キロを歩き通すという、高校生活最後の一大イベント「歩行祭」。生徒たちは、親しい友人とよもやま話をしたり、想い人への気持ちを打ち明け合ったりして一夜を過ごす。そんななか、貴子は一つの賭けを胸に秘めていた。三年間わだかまった想いを清算するために―。今まで誰にも話したことのない、とある秘密。折しも、行事の直前にはアメリカへ転校したかつてのクラスメイトから、奇妙な葉書が舞い込んでいた。去来する思い出、予期せぬ闖入者、積み重なる疲労。気ばかり焦り、何もできないままゴールは迫る―。
あらすじ
恩田陸といったらこれを読んでほしい。学生の間に読んでほしい!
高校3年生最後の行事に挑む少年少女の物語。学生生活の貴重さ、尊さを教えてくれる一冊です。
今の学校が楽しい人も、そうでない人も、読んだ後にはいつもの生活を少し大切にしたくなる作品になっています。
恩田陸を読むなら②『チョコレートコスモス』
芝居の面白さには果てがない。一生かけても味わい尽くせない。華やかなオーラを身にまとい、天才の名をほしいままにする響子。大学で芝居を始めたばかりの華奢で地味な少女、飛鳥。二人の女優が挑んだのは、伝説の映画プロデューサー・芹澤が開く異色のオーディションだった。これは戦いなのだ。知りたい、あの舞台の暗がりの向こうに何があるのかを──。少女たちの才能が、熱となってぶつかりあう! 興奮と感動の演劇ロマン。
あらすじ
百戦錬磨の天才女優と、演技経験0の原石少女の演劇バトル。
少年漫画的な熱さを感じる小説です。天才×天才みたいな展開が好きな人にはハマるはず。
またこの小説は背景の違うキャラクターの描写が本当に上手で、そのあたりを味わうだけでも小説の醍醐味を感じられると思います。
中学生・高校生におすすめ小説家④森絵都
児童文学家としても一流の森絵都。
少年の成長にスポットを当てた作品が多く、中でも『カラフル』はだれもが名を知る名作です。大人でもファンはものすごく多いですが、未成年のうちに読んでおきたい作品を数多く生み出しています。
森絵都を読むなら①『カラフル』
生前の罪により輪廻のサイクルから外されたぼくの魂が天使業界の抽選にあたり、再挑戦のチャンスを得た。自殺を図った少年、真の体にホームステイし、自分の罪を思い出さなければならないのだ。真として過ごすうち、ぼくは人の欠点や美点が見えてくるようになる……。
あらすじ
上でも挙げた森絵都の代表作、青春小説の金字塔。
10代という難しい時期を過ごす人にとって、生き方のヒントを与えてくれるような小説です。
ページ数も短く文章も簡単なため、数時間で読んでしまえるような作品なので、気軽な気持ちでぜひ読んでほしい。というか義務教育に取り込んでほしい。
森絵都を読むなら②『DIVE‼』
高さ10メートルの飛込み台から時速60キロでダイブして、わずか1.4秒の空中演技の正確さと美しさを競う飛込み競技。その一瞬に魅了された少年たちの通う弱小ダイビングクラブ存続の条件は、なんとオリンピック出場だった! 女コーチのやり方に戸惑い反発しながらも、今、平凡な少年たちのすべてをかけた、青春の熱い戦いが始まる――。大人たちのおしつけを越えて、自分らしくあるために、飛べ!
あらすじ
飛び込み競技でオリンピックを目指す、熱血スポーツ小説。
部活動に励んでいる人には共感する部分もあり、刺激にもなり、おすすめします。
上下巻なのでボリュームはありますが、かなり平易な文章でサクサク読めるので、そこまでハードルに感じることはありません。漫画やアニメにもなっているので、そっちから観てみてもいいかも。
中学生・高校生におすすめ小説家⑤住野よる
デビュー作から大ヒットを連発する、大人気作家。特に十代の男女に爆発的な人気を誇り、青春時代の輝きや陰りを描きだすのが非常に上手な小説家です。
また文章の読みやすさもバツグンで、初めて小説に手を出すのだけど、、、という人には自信を持っておすすめできます。
住野よるを読むなら①『きみの膵臓を食べたい』
ある日、高校生の僕は病院で一冊の文庫本を拾う。タイトルは「共病文庫」。それは、クラスメイトである山内桜良が密かに綴っていた日記帳だった。そこには、彼女の余命が膵臓の病気により、もういくばくもないと書かれていて――。読後、きっとこのタイトルに涙する。
あらすじ
いわずと知れた住野よるの代表作。話題になるのも納得の完成度です。
命の尊さをテーマにした作品で、若いうちに読むことに意味のある作品な気がします。
皆が言っていることですが、タイトルの掛かりかたが本当に秀逸、、、
住野よるを読むなら②『よるのばけもの』
夜になると、僕は化け物になる。寝ていても座っていても立っていても、それは深夜に突然やってくる。ある日、化け物になった僕は、忘れ物をとりに夜の学校へと忍びこんだ。誰もいない、と思っていた夜の教室。だけどそこには、なぜかクラスメイトの矢野さつきがいて――。
あらすじ
「夜の学校」を舞台にした小説。夜の世界というのは秘密のワクワク感もあり、不安感もあり―
「化け物」の主人公と、ただ一人その秘密を知っているクラスメイト。しかしその女の子はクラスでひどいいじめに遭っています。
爽やかな小説ではないですが、心に残り、自分の行動指針になってくれる小説です。
中学生・高校生におすすめ小説家⑥佐藤多佳子
青春小説で代表作を多く生み出している作家。
本物の高校生男子が文章書いてるのかと思うくらいリアルな文章と、瑞々しい青春の描写が魅力的です。
佐藤多佳子を読むなら①『黄色い目の魚』
海辺の高校で、同級生として二人は出会う。周囲と溶け合わずイラストレーターの叔父だけに心を許している村田みのり。絵を描くのが好きな木島悟は、美術の授業でデッサンして以来、気がつくとみのりの表情を追っている。友情でもなく恋愛でもない、名づけようのない強く真直ぐな想いが、二人の間に生まれて――。16歳というもどかしく切ない季節を、波音が浚ってゆく。青春小説の傑作。
あらすじ
青春小説といえばこれ。国語便覧でもよく見た気がする。なんか青春を感じたい!という人はこれを読んでください。
もどかしくも甘酸っぱい、二人の不鮮明な空気感は小説だからこそできる表現であり、小説の醍醐味を感じることができると思います。
佐藤多佳子を読むなら②『一瞬の風になれ』
春野台高校陸上部、1年、神谷新二。スポーツ・テストで感じたあの疾走感……ただ、走りたい。天才的なスプリンター、幼なじみの連と入ったこの部活。すげえ走りを俺にもいつか。デビュー戦はもうすぐだ。「おまえらが競うようになったら、ウチはすげえチームになるよ」。
あらすじ
スポーツ小説の大傑作。さっきから大げさな表現でほめてばかりですがほんとに大傑作です。
陸上競技に打ち込む高校生の3年間を描いた長編小説。全3巻と長いですが、部活動に打ち込む人なら一読の価値大ありです。
文章もサクサク、会話文も多めなので読むのにストレスはかからないと思います。
まとめ
今回は小説家ごとにおすすめ作品も上げましたが、紹介した小説家はどれ読んでも外れなしだよ!という作家を選びました。
自分で気になる小説を選んで、本の沼にハマってみてください!