「色」にはロマンがあります。
今回は色にまつわる不思議を扱った本をご紹介します。
浅い雑学にとどまらない、上質な本が集まっているはずです。
Contents
『言語が違えば、世界も違って見えるわけ』ガイ・ドッチャー インターシフト
このタイトルに惹かれる人、いるでしょう。
そういう人は絶対に損しないです。絶対に読んだほうがいいです。
「ある集団の扱う言語がその文化に影響を及ぼす」というサピア・ウォーフ仮説、僕らからするとナルホドアリソウ、と思ってしまいますが、これは言語学者に言わせればとんだ欠陥理論なんだとか。
しかしこの仮説、完全に捨てたもんでもないんじゃない?というのが本書の立場。
言語と色の関係について、深い知識欲を満たしてくれるスーパーおすすめ本です。
『日本の色のルーツを探して』 城一夫 パイインターナショナル
このタイトルも性癖に刺さる人は多いんじゃないかなー。
日本語には色を表す語が多く、日本人は色彩感覚が豊かであるといわれます。
そんな日本人と色の関わりをその起源から迫った本。
図鑑ではないので、日本色がずらっと並んだ一覧表が載っているわけではありません。
というよりは、赤、青、黄色、ピンクなどの基本色を、日本人がどのようにとらえてきたかという内容。
個人的には装飾としての色の歴史が興味深く、日本人はいつの時代もおしゃれ好きなんだな、ということがよくわかる本です。
『知って役立つ色の事典』 七江亜紀 宝島社
これは実用的な色事典。色が与えるイメージや、相性のいい色の組み合わせ等を事細かに解説してくれます。
ファッションのコーディネート集も豊富に掲載されており、色の知識をファッションに生かしたい!という人にはうってつけ。
実用的な面での色彩の基礎知識はこれ一冊で十分といえるほど至れり尽くせりな本です。
『生物から見た世界』ユクスキュル 岩波文庫
「環世界」という概念を立ち上げたユクスキュルの歴史的名著。
ヒトと他の生物では見える世界が異なり、もちろん知覚できる色も異なります。
生物の目で見たイメージ図がふんだんに取り入れられているのがありがたく、岩波文庫ながら理解しやすい内容になっています。(そして単純に楽しい!)
自分が今見ている世界は、自分だけが見ている世界にすぎない。世界の奥深さを感じる本です。
こうしてみると、今回紹介した本は色の知識にとどまらず、さらに他分野への世界と繋がっているような、厚みのあるものばかりです。
ぜひ気になったものがあれば探してみてください~。