こんな人にオススメ
- 『水曜日のダウンタウン』が好きな人
- 『水曜日のダウンタウン』が嫌いな人
- 仕事を充実させたい人
『水曜日のダウンタウン』が好きです。
規制による規制でテレビ番組がどんどん「つまらなくなった」と言われることが多くなった昨今。
そんな中、BPOやPTAに屈せず過激で奇抜な企画を連発するこの番組は特に若者に人気。
「面白い番組」を通り越して「僕らのヒーロー」じみた人気さえ伺えます。
そして、この番組のファンは同時に総合演出・藤井健太郎ファンだという方も多いのでは。
『クイズ・タレント名鑑』『テベ・コンヒーロ』『正解は一年後』など、一部の層に狂信的人気を誇る番組の数々。僕も全部好きです。
ということで、今回はテレビ業界の風雲児・藤井Pによる仕事本をご紹介します。
藤井ファン必読。
この本、『水ダウ』ファン、藤井ファンにとっては垂涎モノの内容。
藤井Pの全担当作品の裏話。(クロちゃんで笑ったら即芸人引退など)
番組の作り方。
マスパンのコラム。
有吉さんとの対談。
などなど。
藤井Pが好きなら1億%損しない内容です。
僕は徹夜で三週しました。
しかしこの本の魅力はそれだけでない。
この本の真髄は、藤井番組の代名詞でもある「悪意」の正体と、それを支える彼のポリシー、それがファンのみならず全国民に読んで欲しい内容なんです!!
悪意の正体
『悪意とこだわりの演出術』、らしいタイトルですね。
藤井Pが演出した番組はどれも「悪意」「こだわり」たっぷりです。
特に藤井ファンは、その「悪意」にハマる人が多いのでは。
しかしこの本を読んでわかったのは、藤井Pが大事にするのはむしろ「こだわり」。面白さにこだわった結果の悪意なんです。
この本で藤井Pが強調しているのが、「こだわる」こと。面白い番組作りのためなら、決して妥協しない。OAの直前までテロップを直すこともしばしばだとか。
悪意の正体も、実はこの「こだわり」にあるそうです。
藤井Pが自分で面白いというものを作ったら、結果的に悪意が入ってしまった。普通なら批判を気にしておさえた表現にします。しかし藤井Pは「面白さ」にとことんこだわるので、そのような選択肢がないんですね。
面白さを削るなんて有り得ない。悪意(と呼ばれるもの)が面白いからそれを届ける。単純な仕組みですね。
曰く、「ギリギリを攻めたいわけではないけど、思いつくのがそういうパターンだから」。
「好き」を仕事に
藤井Pは「天才」「奇才」と称されることも多いですが、この本からひしひしと伝わるのは行動量の人間だということ。
とにかくこだわる。とにかくこだわる。編集・ナレーション原稿は全て自分でやる。微妙なVTRをどうすれば面白くできるかギリギリまでかんがえる(100%の出来の放送は一度もないそうです)。テロップの位置までギリギリまで直す。失敗を恐れずにとにかくやってみる。
そして、彼がここまで出来るのは「好き」を仕事にしているから。だそう。
自分の「好き」を信じて追究することによって、唯一無二の作品を創り出す。こんな働き方、憧れます。
いや、憧れるだけじゃダメだな。