ポルカの新曲『DENKOUSEKKA』がいい感じでした。
電光石火!という思い切ったタイトル。
ポルカの楽曲はいろんな表情があり、曲ごとに特徴が違いますが、僕は今回のような中身空っぽの軽い感じは結構好きです。
MV内でも「結成してから最も適当な歌詞」とのセルフツッコミがありましたが、
まあ確かに適当に見えるなあと思いつつ、実際は適当に書いたというよりも、深く考えずに書いた、というところかなと思っています。
推敲しすぎずに、浮かんだフレーズを詰め込んだような。
「さとり感」と「全能感」
僕がこの曲を一番気に入ったポイントは、その歌詞の「軽さ」なんですよね。
おそらく現代の若者を歌ったものだと思いますが、きらきらした青春を押し出すものでもなく、かといって鬱屈した感情を吐き出すものでもないです。
それらをないまぜにして通過した後の「まあこういうもんよ」と達観したような姿勢がこの歌詞から見て取れる。
いわゆる「さとり世代」ってやつですかね。
こうやってたいのか?大人に辟易
生意気言って土下座
みんな暇なら指を1本出せ
人を指さすな
来世も恋人でいたいな
流石に盛りすぎたわ
そしてそれを聴き手に押し付けないのが好き。
皮肉っぽくないというか、「お前らってこういうもんだろ?さとり世代なんだろ?え?」っていう態度がない。
こちら側にメッセージを伝えたいっていうような態度ではないような気がします。
自分が歌ってるから勝手に歌ってる。
だからこそ、達観したような姿勢の中にもやはり見られる若者特有の全能感、世界を変えるエネルギーも、わざとらしくない。リアルなんですね。
サンバを知らないなんて残念だ
お祈り申し上げる
箱入り娘の大脳を開いてみたら宇宙さ
地球って本当は楕円形らしいよ
急にどうしたの?
食らえや!散々な根性論
思い上がりも大事さ
やつをこらしめる
なんかこの「さとり感」と「全能感」のブレンド具合が絶妙で、頭の中の創作ではなかなか生まれない歌詞だと思います。
これも「適当に」書いた結果の歌詞なのかなと。
(それか雫さんのことだから、SNSでの実際の投稿を転用して歌詞作ったりやってそう。)
訴えかけない歌詞
個人的にはこんな感じの「訴えかけない」曲が好きです。
聴き手を前提にしてなくて、自分が歌いたいから歌うってやつ。
椎名林檎の『丸の内サディスティック』とか、
星野源の『桜の森』とか、
相対性理論の『LOVEずっきゅん』とか。
(このレパートリーで伝わるかな)
メッセージ性が強いと、
はいはい、もうわかったよ、ってなっちゃうんですよね。
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ポルカも変幻自在の曲レパートリーが魅力とはいえ、この系統の楽曲が多い気がします。
勢いも凄いですし、今から新曲が楽しみです。